BAC Tg遺伝子改変動物作製

セミノックインマウス・ラット

ゲノムDNAクローンを利用した作出サービス

特定の細胞、組織選択的にレポーター遺伝子(GFP、ルシフェラーゼ等)を発現するマウス(ラット)モデルは、in vivoにおける遺伝子機能の解析に非常に有用です。しかし、従来のトランスジェニックマウス(ラット)技術では、目的の細胞、組織に正確に外来遺伝子を発現させることは非常に困難な作業でした。
また、SNP解析等で得られた変異をもった遺伝子の解析をin vivoで実験するには、その遺伝子サイズと発現環境より難しい面がありました。

ゲノムDNAクローンを利用したノックインマウス(ラット)は、200kbにおよぶゲノムDNA配列の組換え体を直接導入されたトランスジェニックマウス(ラット)です。コアプロモーターに加えて、組織特異的エンハンサーを含む発現ユニットを全て導入できるので、特定の細胞、組織選択的に外来遺伝子を発現させることが可能です。また、目的とする遺伝子を含むヒトゲノムDNAクローンが存在すれば自由自在に作製が可能です。

セミ・ノックインマウス、ラットとは?

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約200 kbのゲノムクローン(BACクローン)をプロモーターにして発現ユニットを構築して、マイクロインジェクション法でTgマウス、Tgラットを作出します。あたかもノックインのように外来遺伝子(ヒトの相同遺伝子座、Creカセット、蛍光タンパク質、エピトープタグ等)を発現するTgマウス、Tgラットを、短期間で作出できる技術です。

セミ・ノックインはドイツのGene Bridges社よりRed/ET技術のライセンスを受けて、独自に開発したオリジナル商品となります。

セミノックインマウス・ラットの特徴

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従来の遺伝子発現ベクターを導入したTg動物は、短期間でモデル動物を作出して評価できるため、非常に多くの研究に利用されてきました。しかし、このようなコンベンショナルなTg動物では、外来遺伝子を数kbのコアプロモーター配列で発現させるため、期待通りにトランスジーンが発現しないケースが頻繁に起こり、Tg動物による遺伝子機能の解析、病態モデル開発の大きな障害になってきました。

これに対して、ES細胞の遺伝子ターゲティングを利用して作出されるノックインマウスでは、外来遺伝子を内在性のプロモーター活性で正確に発現させることができるので、目的の動物モデルを確実に作出することができます。 しかし、ノックインマウス作出は、技術的には十分に確立されているものの、その作出には1.5〜2年を要し、さらにコンジェニック化が必要です。

一連のゲノムプロジェクトにより、ヒト、マウス、ラットなどの全ゲノムDNA配列をクローン化したBACクローンライブラリーが構築され、今やあらゆる遺伝子を含む200 kbのゲノムクローンを簡単に探索、入手できるようになりました。これらのゲノムクローンには、コアプロモーター配列に加えて、エキソン/イントロン配列、未同定の制御配列が全て含まれています。

従来の遺伝子工学の技術では100〜200 kbにもおよぶBACクローンを組み換えてクローン化することは不可能でしたが、大腸菌内での能動型相同組み換え反応である、Red/ET Recombination Technology を応用することにより、特異的にBACゲノムクローンのDNA配列を操作することが可能になりました。この技術を利用して、ゲノムクローンに外来遺伝子(ヒトの相同遺伝子座、Creカセット、蛍光タンパク質、エピトープタグ等)を置換、挿入することにより、あたかも外来遺伝子がノックインされたかのような遺伝子座を持つ組換えゲノムクローンを構築することができます。

これらのリソースと技術を応用して組換えゲノムクローンを構築し、マイクロインジェクション法でTg動物を作製することにより、トランスジェニック動物作出の迅速性と、ノックインマウスモデルの外来遺伝子の発現制御の忠実さを併せ持つ、次世代の遺伝子組換え動物を作出することが可能になりました。弊社はこの遺伝子組換え動物を『セミ・ノックインマウス』、『セミ・ノックインラット』と呼んで、様々な研究分野を支援する受託サービスを行なっております。